おすすめ本

リブロスタッフによるおすすめ本のご紹介

2011年5月

『仕事が嫌になったとき読む本』

笠巻勝利 / PHP研究所 / 560円(税込)
9784569572697

人生を一幕のドラマとすれば、主人公は他ならぬ自分自身である。ところがこれが、なかなか思い通りに進まない。ことに会社勤めの身ともなれば、そんな経験は日常茶飯事だ。本書は、ちょっとした視点のずらし方で物事が違って見えることを、繰り返し語りかけ、「仕事がつまらない」「成果が上がらない」「会社に評価してもらえない」といったマイナス思考を一掃してくれる。仕事が楽しくて仕方がなくなる「心の強壮剤」。

リブロでの独占販売。

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仕事が嫌になったとき読む本

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『ラブオールプレー』

小瀬木麻美 / ポプラ社(ポプラ文庫ピュアフル) / 672円(税込)
9784591122686

 書店員作家・小瀬木麻美の2作目。前作『何度でも君に温かいココアを』から2年ぶりの新作は、ポプラ文庫ピュアフルという青春小説レーベルから刊行された(書き下ろし)。
 高校バドミントン部を舞台にした直球ど真ん中の青春スポーツ小説で、実に「正しい青春」がまっすぐに・軽やかに・爽やかに描かれている。表紙イラストそのままの、「超純粋男子高校生」の愛らしさと美しさが、全く損なわれることなく最後まで貫かれる。「努力・友情・勝利」の方程式が全面展開された正真正銘の正統派青春小説だ。
 加えて、この小説の魅力は細部に宿る。まず、バドミントンのことに詳しくなくても全く問題なく、見事に具体的な場面を思い浮かべながら読み進められる巧みな描写。好感度の高い健康的な高校生という条件を満たしながら、すっきりと書き分けられた登場人物たちのキャラクター。そして、相互に信頼をもって繋がりながらも一定の距離感を保ち続ける人間関係のリアリティ。その情景が、まるでアニメを見ているかのようにありありと浮かびあがるのは、この作家の確かな技術によるものだ。
 また、前作同様この作品の登場人物たちも、まっすぐに自立し倫理的に生きる「強い個人」として美しく描かれる。ここにおそらく著者の特徴的な哲学が反映している。この作品の清々しさは、単にスポーツのそれというだけでなく、作家により吟味された単語のひとつひとつに託されて、人物や出来事の隅々にまで徹底されている。大袈裟に言えば、小説家に与えられる絶対的な権力により、この世界は予め周到に掃き清められている。
 前作ではその恣意性に気をとられ、物語世界への没入を阻害されたが、2作目においてこの作家は、青春スポーツ小説というフォーマットを使うことでその弱点を克服した。描かれる内容に相応しい形式を得た、幸福な作品だ。
 新人作家の2作目が、デビュー作よりおもしろい事例は必ずしも多くない。小瀬木麻美の読者はラッキーだ。3作目も楽しみにして待とう。
(商品部 野上由人)

ラブオールプレー

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