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リブロスタッフによるおすすめ本のご紹介

人文

『現在知 vol.1 郊外その危機と再生』

三浦展/藤村龍至 / NHK出版 / 税込1,575円
9784140093528

戦後の日本のシステムは限界に来ている。それを刷新しなければならない。そのような言説はあらゆる場面で耳にするが、なにが限界の原因なのか。
都市における戦後的システムの象徴のひとつである「郊外に一戸建て住宅を持つ」団塊世代のライフスタイル。ニュータウンの夢の終わりを告げるかのように、郊外では施設の老朽化や住民の高齢化が進んでいる。そんな話は20年以上前から指摘されてきたにも関わらず、未だに同じことが言われ続けている現況を見ると、このなにもしない社会と、他ならぬわたしたち自身にこそ問題があると思わざるを得ない。
いまこそ、わたしたちはそこから抜け出さなくてはならない。
NHKブックスの別巻として刊行されていた『思想地図』の後継版ともいえる『現在知』シリーズのVol.1。今後も期待、です!
リブロ池袋本店書籍館1F 幸 恵子)

現在知 vol.1 郊外その危機と再生

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『おどろきの中国』

橋爪大三郎/大澤真幸/宮台真司  / 講談社 / 税込945円
9784062881821

日本を代表する3人の社会学者が中国という社会の原理について、過去、現在、そして今後の日中関係について論じた鼎談である。
中国を理解する上での例えがいろいろ出てきて非常に興味深く読める。日本では青銅器時代が無く、鉄器時代も無い。戦車も無く馬だけ入ってきているので、日本の歴史的常識で中国を理解しようとしてはいけない。こういった積み重ねで近代中国ができ、戦前の日本が中国に関わっている歴史問題がある。
じっくり読まないといけない本だと思います。
リブロ池袋本店 西田芳樹)

おどろきの中国

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『教室内カースト』

鈴木翔 / 光文社 / 税込882円
9784334037192

先日、とあるトークイベントで、高校に入学した時に「まずは、クラスの中で自分がどういうポジションをとるのか(あるいはどのようなポジションになれば学校生活を有意義に過ごせるか)について考えたか」という話を聞いた。まずは「ポジションをとる」という発想自体に驚きを覚えたのだが、本書を読んでその発想もさもありなんかと考えさせられた。本書に書かれている学生の「学校」という狭い集団にこびりついた「権力」に隷属する姿は、教員にも見ることが出来る。それは学校生活を運営していく姿であり、本来の目的である教育とは違うものではないか。運営に翻弄されるばかりではない、教育の場を作るにはどうすれば良いのかということを考えるためにもおすすめの一冊。
リブロ池袋本店書籍館1F 幸 恵子)

教室内カースト

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『社会的なもののために』

市野川容孝/宇城輝人編 / ナカニシヤ出版 / 税込2,940円
9784779507243

「社会的なもの」とはなにか。本書は、わたしたち日本人が、普段意識することのない、あるいは隠れてしまっている「社会的なもの」についての説明から始まる。曰く、フランスとドイツの憲法に書かれている「社会的国家」とは、人間としての尊厳の保障、社会保険の整備、教育などを含めた財の獲得のための機会均等の保障、所得の再配分による社会的格差の是正を行う国家であり、それにほぼ相当する日本語は「福祉国家」である。
このことに、衝撃や違和を覚えたならば、本書にまとめられた様々な識者にによる基調報告と、それをふまえた討議を読むとよい。そこには、政治的な理念から隠れてしまっている社会的なものを取り戻すための、さまざまな模索がある。
直ぐには前進しないものかもしれないが、愚直に取り組むことをやめてはならないこと、そして、そのために必要な知識を携えることを、静かに、力強く語りかけてくる本書は、これからの社会を作りだす人に是非手にとって欲しい一冊である。
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社会的なもののために

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『動物に魂はあるのか』

金森修 / 中央公論新社 / 税込924円
9784121021762

動物に感情や知性、理性、魂と呼べるものはあるのだろうか。
起源をアリストテレスの時代に遡る、動物にも魂があるとする生命礼賛の「動物霊魂論」。そしてデカルト以降、人間の優位性を守るために生まれてきた、動物には知性も感情もないとする「動物機械論」。この二つを軸に、ハイデガー、アガンベン、シンガーなどの現代思想まで、生命とは何か、そして人間とは何かを巡る思想哲学史。
本書の中で著者は、動物と人間は違う(動物の方が劣る)という動物機械論的な考え方には、他者を見下すという視点があるのではないかと指摘し、そしてまた、現代社会における動物実験などの行為にもその考えが根底にあるのではないかと、私たち人間の生命感、倫理感について鋭く問いかけをしてくる。
iPS細胞、生殖技術、ケアなど、命を巡る問題が指摘される今、それらを考える入口としても読める一冊でもある。
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動物に魂はあるのか

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『僕たちの前途』

古市憲寿 / 講談社 / 税込1,890円
9784062180825

前作『絶望の国の幸せな若者たち』が話題を呼んだ著者による起業家を中心にした働き方研究。
正社員か非正規雇用か、この二択になりがちな働き方だが、本当にそれだけなのだろうか。
いつから「雇われて働く生き方」が一般的になったのか。「社畜」などという言葉が跋扈する日本では、仕事に対する満足度が非常に低い。日本の社会の仕組みが、労働環境のそれと類似していることを考えると、わたしたちの抱える「生きづらさ」の一端も見えてくるようだ。
二択で考えるのではなく、さまざまな働き方を考えることが出来るようになるとき、私たちの社会の前途はきっと変わるはず。
自分自身も研究対象にしてしまう著者ならではの、シニカルでユーモアのある脚注も健在。おなじみ巻末対談は、あの超有名な会社人。様々な示唆に富んだ一冊である。
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僕たちの前途

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『世界が土曜の夜の夢なら』

斎藤環 / 角川グループパブリッシング / 税込1,785円
9784041101162

日本人たるもの、好き嫌いとは関係なく、ヤンキーというものが気になっている人は多いのではないだろうか。
本書はそんなヤンキーの美学についての本である。
これを読めばヤンキーの正体が分かるのかと思いきや、著者は「ヤンキーはヤンキーというスタイルのことであり、それ以上でもそれ以下でもない」ゆえに「ヤンキーには本質がない」ので表層を集めることしかできないという。
しかし、がっかりすることはない。故・ナンシー関による優れたコラムから、相田みつを、ファンシーグッズ、車のダッシュボードのファー、EXILE、YOSAKOIソーラン節、坂本龍馬、金八先生、白洲次郎など、数多くの事例の考察を読むだけでも、うすぼんやりしたヤンキーへの認識がクリアになっていく面白さがある。「アツさ」「気合い」「アゲ」「母性」「キャラ立ち」「何を成し遂げたかよりどう生きたかという生きざまに重心が置かれる」などの特徴を知ると、周囲はもちろん、自分の中のヤンキー性について腑に落ちることしきりである。
わたしは本書を読んでから、自分の周りでさりげなく使われている「気合いをいれて頑張る」という言葉が気になって仕方がない。
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世界が土曜の夜の夢なら

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『ヒーローを待っていても世界は変わらない』

湯浅誠 / 朝日新聞出版 / 税込1,365円
9784022510129

「年越し派遣村」の元村長であり、2012年の春まで内閣府参与を務め、民間の活動と政権の懐での活動、両方を経験した著者による民主主義論。
帯に書かれた惹句は「〈決めたい〉のか〈決めてほしい〉のか?」
民主主義のシステムは面倒くさくて疲れるものだと著者はいう。民主主義の場では、様々なる人々の意見を調整しつつ、最善と思われる解を導かなくてはならず、しかも調整には時間もかかるし妥協もしなくてはならないからだ。そこで、「自分が思っているとおりに決めてくれる」ヒーロー待望論の登場である。
が、本当にそれでいいのだろうか。
ヒーローには「正義」に対する「悪」がなくてはならない。が、そのために、ヒーロー自身が正義と対決する悪を作りだし、自らを正当化しているに過ぎないということはないだろうか。
社会は単純な勧善懲悪型には出来てはいない。待望したヒーローが決めた正義が、物事を単純化し、民主主義の空洞化を招いてしまうこともあるのだ。
自分たちで合意形成を行うことの自由を失わないために、著者のいう「溜め」について、今一度考えてみようと思う。
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ヒーローを待っていても世界は変わらない

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『都市と消費とディズニーの夢』

速水健朗 / 角川グループパブリッシング / 税込760円
9784041103074

従来の地域コミュニティを破壊する、無個性で画一的、消費社会の権化などと、とかく都市計画者や知識人とされる人達から忌み嫌われ否定されているイメージのあるショッピングモール。しかし、実際に、人々はモールに集まり、利用し、消費をしてる。さらには、モールにある銀行や役所機関が公共機能を果たしている場合もある。このギャップは何故生まれるのか。
ショッピングモールから社会を考察する本書は、経済や市場原理から読み解く都市論でもある。本論にも出てくる現在の日本のテレビ局と街とモールの関係などは、その一端をよく表しているものといえるであろう。
また、本書に取り上げられている様々な事例を読むと、ショッピングモールのあり方は建築家や都市計画者の考えと本当に相反するものなのか、ディズニーやハワードの描いた都市論は現在の都市のあり方とどう呼応しているのだろうか、など様々な読み解きを喚起させられる。
都市と経済、消費、そして私たちの生活について考える際の、新たな角度に気づかせてくれる一冊。
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都市と消費とディズニーの夢

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『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』

ドミニク・チェン / フィルムアート社  / 税込2,310円
9784845911745

本書で語られるフリーとは「自由」のこと。
古くさい既得権益や、インターネットでの活動にそぐわない著作権などから「自由」であることが何を生み出すのか。
その具体例にも触れながら進む本書には、「自由」の他に、「共有」「価値」「創造」「継承」「学習」といった重要な言葉が何度も出てくる。
自らの創造とそれを共有する自由を確保することに価値を置き、文化は創造と継承という学習から生まれると語る著者の思想は、文化(カルチャー)だけではなく、私たちの生き方をも変える可能性を持っている。
そしてその変化をもたらすのは大衆であると著者は言う。

これらの言葉にピンと来ない人も、本書を読めば、この新しい思想の一端を理解することが出来るはず。
様々な場面で既成の価値感が問い直されている今、未来は現実の連続の中にあることを自覚し行動すること。参加し継続ていくこと。
「新しい歴史」が作られていく現場に立ち続けるのは、ほかでもない私たち自身なのだ。
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フリーカルチャーをつくるためのガイドブック

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『ピダハン―「言語本能」を超える文化と世界観―』

ダニエル・L.エヴェレット/屋代通子  / みすず書房 / 3,570円(税込)
9784622076537

みなさんは「ピダハン」というアマゾンの少数民族をご存知でしょうか。
本書に登場する彼らの世界は、まさに驚きの連続!
言葉はわたちたちの世界を表しているとはよくいったもので、ピダハンの人々の言葉には「こんにちは」や「ありがとう」といった交換的言語がなく、右も左もければ数の認識もない。わたしたちの常識である西洋文明とは全くことなった言葉=世界の中で生きているピダハンの人々。それだけでも驚くことしきりなのだが、その世界に魅了されてしまった著者は、布教のために彼らの言葉「ピダハン語」の研究を始めたというのに、なんと宗教を捨て無心論者になってしまうのだから本当にびっくり。どれだけすごいのだ、ピダハン。
著者の愛情とユーモア溢れる語り口もなんとも魅力的。今年の人文書ベスト候補に早くも認定です。
リブロ池袋本店書籍館1F 幸 恵子)

ピダハン―「言語本能」を超える文化と世界観―

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『100の思考実験 あなたはどこまで考えられるか』

ジュリアン・バジーニ/向井和美 / 紀伊国屋書店 / 1,890円(税込)
9784314010917

列車の暴走で40人が死にそうなとき、5人だけ死ぬほうにレバーを切り替えられるとしたらどうするか?
ハーバード白熱教室でも取り上げられた、上記「トロッコ問題」を初めとする、
「考える」ための100題です。倫理とは?道徳とは?
何度も考えて、議論して下さい!
リブロ池袋本店別館B1FAゾーン 釘嶋美奈子)

100の思考実験 あなたはどこまで考えられるか

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『「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義』

五野井郁夫 / NHK出版 / 998円(税込)
9784140911907

あなたは「デモ」に対してどのようなイメージを持っているだろうか。
偏ったイデオロギーから発せられた一般市民の意志とはかけ離れたものであるとか、暴力を伴う反社会的(反権力的?)行為などのイメージをマスメディアによって植え付けられてしまってはいないだろうか。
著者は、昨年のオキュパイ・ウォールストリート運動や、戦後日本のデモ史通じて、わたしたちの声を議会制民主主義の国会「院内」に届けを変えていく可能性を持った「院外」での直接民主主義としての暴力を伴わないデモの、旧来の「社会運動」とも「新しい社会運動」とも違うクラウド化する社会運動としての可能性を検証していく。
デモから読み解く戦後史とも読める本書は、いまとこれからのわたしたちが、一市民として政治とどのように関わっていくことが出来るのかを読む者に問いかけて来ます。
リブロ池袋本店書籍館1F 幸 恵子)

「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義

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『さいごの色街飛田』

井上理津子 / 筑摩書房 / 2,100円(税込)
9784480818317

大阪市西成区に存在する「色街」飛田。街の様子を一言で描写するならリアル「千と千尋の神隠し」。
その内実へ、誰もが(なんとなく)知っているのに誰も口にしない領域へ、斬り込みをかけての話題作。ロングなヒットが続いています。
リブロなんばウォーク店 筒井陽一

さいごの色街飛田

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『飼い喰い 三匹の豚とわたし』

内澤旬子 / 岩波書店 / 1,995円(税込)
9784000258364

『世界屠畜紀行』で屠畜の現場を見て食べてきた内澤旬子さんの、今度は自分自身で肉豚を交配から見届け、飼って、育てて、つぶして、食べるまでを綴った体験ルポ。
内澤さんは、畜産農家に住み込み畜産の手伝いをする、のではなく、自ら一軒家を借り、小さいながら豚小屋を造り、「肉になる前」の豚のために身体を張りあらゆるコトに取り組む。なぜそこまでするのかと思ってはいけない。取り組む相手は命あるもの。そしてなにより己の愛情が為させる所業。
周りの方々の協力のもと無事に出荷と相成った、夢、秀、伸と名付けられた三匹の肉を食したときの内澤さんの一言に、ああ、肉を、命を食べるというのはこういうことなのかとグッと心をつかまれました。
リブロ池袋本店書籍館1F 幸 恵子)

飼い喰い 三匹の豚とわたし

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『国際問題がわかる!世界地図の読み方』

池上彰 / 小学館 / 1,365円(税込)
9784093881432

 池上彰による世界地図を読み解く本。国ごとの利害によって世界地図は異なることを分かりやすく解説。尖閣諸島、北方領土と日本人にとっても領土問題は身近な問題ですが、他の国にもやはり、色々な問題や考え方があるようです。普段私たちが見かける世界地図とは違った様々な地図が存在していてる。様々な国の世界地図をみると、国際問題が分かってくる。
 そうそう、北海道が下で、沖縄が上の地図なんてものもあるんです。

国際問題がわかる!世界地図の読み方

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『日本語 語感の辞典』

中村明 / 岩波書店 / 3,150円(税込)
9784000803137

多くの類語の存在する日本語だからこそ、その語彙の語感の違いが重要になってくる。日本語に存在する微妙なニュアンスの違いを調べる際に、有用な新しいタイプの辞典。この辞典を用いれば、日本語により親しむことができるはずだ。

日本語 語感の辞典

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『人間の条件 そんなものない』

立岩真也 / 理論社 / 1,575円(税込)
9784652078556

 何が正しくて何が正しくないのかよくわからない。よくわからないままでは落ち着かないので何かしら標がほしい。だから「正義」とか「倫理」の話に注目が集まる。ただ、「○○主義」としてパッケージ化されたものを飲み込もうとしてもなかなかうまくいかない。もっとシンプルに、中学生でもわかる言葉で根っ子から考えてみることはできないか。
 この本は、そんなニーズにちょうどよく合致する一冊。自由・平等・生存といった根源的な問題を、現実的な社会制度と結びつけながら丁寧に考えてきた社会学者・立岩真也が、中学生以上の読者を想定する「よりみちパン!セ」シリーズのために、専門用語を排したやさしい言葉で書いた。といっても扱う問題がとても大きいので中学生にはおそらくちょっと難しく、むしろ大人の、専門家ではない一般読者に相応しい。
 能力に応じた配分は正義か、といった問題設定から始まる。必要に応じた配分でもいいのではないか、という考え方が対置される。話が深まるにつれ「格差」「貧困」「平等」「自己決定」「生存権」「所得再配分」「ベーシックインカム」「ワークシェアリング」といった今日的なテーマに直結していく。根っ子から丁寧に積み上げられる思考は、世間でよく言われていることとは違った視界を開いていく。そこに希望がある。これが「知」の力であり、読書の醍醐味だと中学生以上の全ての読者に伝えたい。
(商品部 野上由人)

人間の条件 そんなものない

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『地域社会圏モデル』

山本理顕/中村拓志/藤村龍至/長谷川豪 / INAX出版 / 2,205円(税込)
9784872751604

「建築のちから」シリーズ3。建築や都市計画には、大きな夢と高度な理論、そしてそれを支える現実的な計算や技術がある。その全てが揃ったとき、私たちはその可能性に希望を抱く。この本の冒頭に登場する「新宿山」や「世田谷大地」、または「都市2.0」と名づけられた独立国家型都市の構想を、未来に希望を持ちたい全ての人にまず見てもらいたい。私たちはまだまだ、ワクワクできるのだ。専門知識がなくても読める、夢の企画書。
(商品部 野上由人)

地域社会圏モデル

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『わらの犬』

ジョン・グレイ / 池 央耿 / みすず書房 / 3,780円(税込)
【ISBN】9784622074908

今この時点で主流を占める世界観は、
最新の科学を権威と仰ぐ正統派的信念と、
楽天を装った非現実的な希望の抱き合わせである

わらの犬

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『戦場の掟』

スティーヴ・ファイナル/伏見威蕃訳 / 講談社 / 1,890円(税込)
【ISBN】9784062148658

2008年度ピューリッツァー賞を受賞した、イラクでの「民間警備会社」を描いた
ノンフィクション。現代の傭兵たる、彼らの真相にせまる。

戦場の掟

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『図説蛮族の歴史』

トマス・クローウェル/蔵持不三也監訳 伊藤綺訳 / 原書房 / 4,725円(税込)
【ISBN】9784562042975

ローマを滅亡へと導いたゴート人から巨大帝国を築いたチンギス・ハーンまでの歴史をイギリスやフランス、ロシア、中国建国の由来を絡めながらたどります

図説蛮族の歴史

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